筆者は北京で旅行を学ぶ大学院生。妻は中国人。明るい話題の少ない日中関係ですが、将来に向けて建設的な提案を行なっていけたらと思ってます。末永くよろしくです。
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山西帰省旅行記“其の三”

2月3日(旧暦正月初六)
この日も寝正月だった。昼過ぎに爷爷(イエイエ、父方の祖父)と奶奶(ナイナイ、父方の祖母)の家を訪問に行った。訪問と言っても歩いて5分の距離である。
爸爸、奶奶、刘鑫と僕の4人で麻雀をした。中国の麻雀は日本式と違って非常にシンプルだ。特にこの日は子供向けにルールが簡素化されていたのか、ただ鳴きまくって上がればいい、役も振りテンもあったもんじゃないという、超簡単ルールだった。はっきり言ってつまらないのだが、要は麻雀をしながらしゃべりましょう、子供を黙らせておきましょうという事らしかった。

適当なところで切り上げ、大姑(ダーグー、父の姉妹の中で一番年上の人)の家へ行く。ここも歩いて5分だ。
この家の大哥(ダーガー、長兄)は、僕が結婚する時に妻一家を説得してくれた人で、太原滞在中も仲良くしていたのだが、残念ながら今年の正月は里帰りしないそうだ。何でも「帰省してもお年玉が払えない」のだとか…。山西省では親戚関係によって孫ならいくら、甥・姪ならいくらというように、お年玉の大体の額が決まっていて、会えば絶対それ相応の額を払わなければならなくなる。大家族なので、お年玉と言えど馬鹿にはできない額になるのだ。しかし、お年玉が原因で帰省できなくなるとは、何だか本末転倒なような、可哀想なような、複雑な気がした。


2月4日(旧暦正月初七)
この日は一家総出で、10kmほど離れた村にある老爷(ラオイエ、母方の祖父)と姥姥(ラオラオ、母方の祖母)の家を訪問に行った。妈妈の兄弟姉妹4人と、その夫婦や子供が大集合していた。
姥姥は敬虔な仏教徒で、肉や魚や動物油を食べない。それで普段は肉を調理しないのだが、客が来る時はそうも言ってられないので、村のコックを呼んで作ってもらっている。婚約以来毎年この時期に来ているのだが、このコックが作る料理がたまらなくうまい。毎日でも食べたいぐらいだ。二週間前に結婚したばかりの表弟(ビャオディー、従兄弟の弟)と、ついつい飲みすぎてしまった。
食後は、去年日本に帰った時のビデオを披露した。大した物は撮ってないのだが、海を見たことない人ばかりなので、沖縄のビデオは受けがよかった。

帰り際に近くのお寺らしきところに寄る。境内ではダンスが行なわれていた。姨夫(イーフ、母の姉妹の旦那)が、村長らしき人に「日本からのお客さんだ」みたいな事を言ったらしく、一躍注目の的になってしまう。
管理人らしき人が出てきて、御堂の鍵を開けて、関羽・周倉・関平やら子宝の神様やら先祖に会える神様やら観世音菩薩やら、色々なお寺の神様を見せてくれて、説明までしてくれた。お線香を上げてお賽銭を入れてお参りしておいた。こういう時、中国は融通が利いて面白いなと思う(融通が利くのは田舎限定ですが)。


2月5日(旧暦正月初八)
昼前に爸爸と刘鑫と一緒に、村の広場へダンスを見に行く。テレビがここまで普及してる時代に、素人のダンスなんて人気がないらしく、見物人は年寄りと子供ばかりだった。我が家でも子供が行きたがるので、渋々連れて来ただけであった。僕も初めて見るわけではないので、取り立てて興味はなかったのだが、家にいるのも暇なので見に行った。案の定、つまらなかった。

散歩がてら、歩いて10分くらいのところにある川を見に行く。この辺の人はこの川を「大河(ダーハー)」と呼んでいるのだが、大河だったのは十数年前の話で、最近は気候変動で川幅10数メートルの小川になってしまっている。これだって山西省にしてみれば随分大河なのだが…。去年来た時はダンプカーで通ってもびくともしなそうな氷が張っていたのだが、今年は川の上を歩くとミシミシ音がする。川を渡るのは止めて、帰ることにする。
川沿いの地面には霜のような白い物が一面にはびこっている。爸爸曰く、塩だそうな。試しに舐めてみると、確かに塩辛い。山西省の土壌は塩分が濃く、川沿いは特に濃いので作物が育たない。昔はこの白い砂を集めて持ち帰り、水に溶いて濾過して蒸発させて塩を作っていたそうだが、最近はコストの割に少量しか取れないのと面倒臭いので、塩作りは止めてしまったんだそうな。
そういえば前回帰国する際に、村の有力者から「日本の土壌改良技術を売ってくれる人を探してきてくれんか」と依頼されていた。まず詳細状況を報告してくれるよう頼んだのだが、返答がなく、それきり話が途絶えてしまっている。誰かその方面詳しい人、助けてくださいませんか?

昼飯には、僕がお土産に買ってきた「五粮液(ウーリャンイエ)」という白酒を開けた。僕はずっと山西省に滞在しておきながら、山西省のキリリとした酒より、四川省のコクのある酒の方が好きなのだ。それで思いっきり自分の好みで、今回は四川省の酒の代表格である五粮液をお土産にしたのだ。で、家族やその友達にも飲んでもらったのだが「うまいとは思うが飲みなれない」との事。失敗であった。次回は北京産のキリリ酒「二锅头(アルグオトウ)」を買って帰ろうと思った。

午後は、のんべんだらりと過ごし、この日を終えた。
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by t-kume | 2006-02-14 16:13 | 日記・随筆
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