筆者は北京で旅行を学ぶ大学院生。妻は中国人。明るい話題の少ない日中関係ですが、将来に向けて建設的な提案を行なっていけたらと思ってます。末永くよろしくです。
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山西省帰省旅行記“其の一”

更新が随分途絶えてしまいました。一昨日まで山西省の妻の実家に里帰りしておりました。今日から数回にわたって、その時の様子をお届けしたいと思います。

2月1日(旧暦正月初四)
妻の実家のある山西省原平市へは、去年北京からの直通バスができました。1日1往復だけですが。列車と比べて運賃は倍ほどするのですが、バスは速くて快適なので(日本と逆ですね)利用してみる事にしました。そこで、北京西駅の近くにある六里橋バスターミナルへ。

…が、来ない。

時刻表では1月29日の旧暦の元日から三日間運休した後、この日から運行再開のはずである。これは正月前に電話でも確認したし、現に今、ターミナルの切符売り場で聞いてもそうだと言う。なぜ来ないのかを問いただすと、
「ドライバーが今日は客足が見込めないと踏んで、正月休みを延長したのでしょう」
とのこと。「はあ???」である。だったら始めからそう発表しろよと言いたい。もとい、言った。だが言ったところでどうにもならない。
とりあえず、時刻表どおりバスに乗るつもりで重い荷物を担いでタクシーで来たのだから、そのタクシー代は返金されるべきだと詰め寄る。が…
「你到法院起诉去吧,车站跟司机没关系(裁判所へ訴えなさるがよろしかろう。バスターミナルはドライバーと無関係です)」
「はあ?????」である。返金は無理だろうと思っていたし、丁寧に理由を説明されて、謝罪の言葉も聞ければ納得しようと思っていたのだが、この一言でブチ切れた。責任者を出せとゴネる。中国の切符売り場は、列車でもバスでもガラス越しになっている所が多いのだが、これはつかみ合いのケンカを避けるためかと思う。この服務態度でケンカにならない方がおかしい。周囲のお客様にも聞こえるように、大声で切符売りのおばちゃんを非難したが、奴は首を横に振るばかりでお話にならない。埒が開かないのであきらめる。ただ引き下がるのも癪なので、でかい音を出してタンを吐き捨ててやった。心が狭いと言われようが、マナーが悪いと言われようが、そのくらいしないと収まらない(中国の名誉のために言っておくと、ところ構わずタンを吐き散らしていたのは一昔前の話。今、普通の人は、公衆の面前ではほとんどやりません)。
あきらめて帰ろうとすると、ターミナルの入口近くで、大同という原平に程近い町(と言っても150kmはある)へ行く車のドライバーが客引きをやっていた。大同で乗り換えて帰省するのもありかと思い、大同方言の分かる妻が値段交渉に行った。こういう値段交渉は方言でやってもらうに限る。そうすれば事情通と思われ、ドライバーも無茶な値段は提示してこないのが普通だ。が、提示された運賃は1人300元。普段の3倍以上の値段だ。正月で正規のバスがないのをいいことに、完全に足元を見られている。こんな奴の車に乗ったら、どこぞの山奥で身ぐるみ剥がれて捨てられかねない。そもそもそんな金があるなら飛行機で帰省している。値段交渉をさっさと切り上げ、夜の列車の切符を取るべく北京駅へ向かった。

北京駅ではあっさり今晩の切符が取れた。中国の帰省ラッシュは日本のに輪をかけて凄まじいが、この時期地方へ向かう列車は正月明けの下り線なので、客はそれほど多くない。硬座(2等座席)で1人65元。バスの半額だ。憂さ晴らしに、浮いた分のお金で北京ダックでも食べようという事になった。そうと決まれば元気百倍だ。勇んで王府井の“全聚德”という有名な北京ダックの店へ向かう。

高かった。僕は山西省太原で食べた時の感覚で、全聚德は二人でおなか一杯食べて80元のつもりで行ったのだが、腹八分で204元もかかってしまった。全国統一価格ではないのだろうか?それとも知らぬ間に値上げされてたのか?目の玉が飛び出るほどの高さに、大好きな“アヒルの心臓の直火焼”をあきらめる。初めて食べた“アヒルの肝の冷菜”は、チーズみたいでうまかった。他はまあまあやね。「浮いた分のお金」のつもりが、痛い出費を強いられる。自費で全聚德に行く事は当分あるまい。
余談だが、北京ダックは基本的に皮付き肉しかたべないので、皮を切り取った後の肉と骨が大量に余る。王府井の全聚德ではこの余り(中国語で“鸭架”)を、三匹分10元で売っている(テイクアウトのみ)。これ半匹分と冬瓜を圧力鍋で煮込めば、4~5人前のアヒル肉スープが作れる。驚きの安さで、しかもうまい。北京在住の方、ぜひお試しあれ。

今晩の列車は寝台ではないので、家に帰って昼寝をする。8時過ぎに家を出て、北京駅へ向かった。
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by t-kume | 2006-02-08 12:32 | 日記・随筆
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