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中国語のクラスにて
僕は大学院生なのですが、英語の授業を中国語に振り替えてもいいという事なので、いろいろな国から来た学生と一緒に中国語の授業も受けてます。その授業中のお話。
教科書を勉強し終わって、何もすることがないので、興味のある事について討論という事になった。すると西アフリカのシエラレオネから来たマルクス君が、 「老师,对历史遗留下来的问题你怎么看?(先生、歴史的な問題についてどう思いますか?)」と…。 先生の顔に緊張が走ったのが目に見えて分かった。同時に日本人と韓国人の学生も消火体制に入る。毎日顔を合わせる仲なのだ。波風を立てずにこの場を乗り切りたい思いは一致している。先生が消火器を発射する。若い人たちには関係ないという論法だ。 ところが、マルクス君の言いたい事は、東アジアの歴史のことではなかったらしい。ヨーロッパのアフリカ植民地化の話だという。 彼は自分が黒人である事で、随分興味本位の目で見られるという。道を歩いていても「黒人や、黒人おるで」と指を指されて疲れるという。「黒人(heiren)」という単語を聞くたびに、差別的な意味合いを感じるという。テレビに出てくる黒人は決まって悪役で(中国にはボビーオロゴンみたいな存在がいない)、見ていて悲しくなるという。「同じ人間なのになぜ?」「貧しいのは歴史のせいで、俺のせいじゃない」「中国では人種差別が助長されてる」と訴えていた。 僕も言いたいことがあったので、続いて発言した。昔S省で働いていた時、同僚の中国人やカナダ人の先生と一緒にレストランに行った。隣の席にいた7,8歳の男の子が、カナダ人の先生に興味を持って話しかけてきた。中国人の先生が「このお兄ちゃんも外国人なんだよ。日本人だよ」と僕を紹介した。子供の反応はストレートだ。「嘘だ。日本人ならちょび髭があるはずだ」と。中国の日中戦争系時代劇では、日本人は必ずちょび髭を生やしている。この子が日本にどういうイメージを持ってるかは聞かなくても分かったし、案の定、最後まで僕にはなじまなかった。僕も「日本(riben)」という単語を聞くたびに、憎悪と蔑視の混じったような感じを受ける事、戦争物の番組を見るたびに胸糞が悪くなる事などを話した。 続いて韓国の学生がフォローとまとめに入ってくれた。自分は韓国の田舎の出身で、中国に来るまで外国人と交流した事はなかった。当然日本に対していいイメージは持ってなかったし、アフリカの事なんて何も知らなかった。中国に来てしばらくして、中国人と日本人の学生と交流する機会があった。その場である中国人が、その場に一人しかいなかった日本人に、「歴史」についての考えを問いただした。その日本人はこう言ったのだそうだ。「虽然我不能代表日本,但是我觉得当时的日本不对,很抱歉(僕は日本を代表する事などできないけれど、当時の日本は悪いと思う。ごめんなさい)」。彼女は胸に手を当てて考えたという。自分はこの日本人に恨みなどないのに、どうしてこうやって虐めているんだろうと。その後多くの日本の友達を持って、日本に対する偏見も消えたという。またユーモアのあるマルクス君のおかげで、自分の黒人に対する印象はすごくいいのだと。 留学ってこれだから面白い。久しぶりに濃密な時間を過ごす事ができました。 おまけ: ぶっちゃけモードになったついでに、昼飯時にペルー出身の華僑の女の子に「フジモリをどう思う?」と聞いてみた。彼女は「自分に似ているから好きだ」と。理想に一直線で何事も自分で決めるスタンスが自分に似ているんだそうな。独裁なくして南米で大統領などありえない、フジモリは国民のためになる事をしたというのが彼女の意見でした。
by t-kume
| 2005-12-27 21:27
| 日記・随筆
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