筆者は北京で旅行を学ぶ大学院生。妻は中国人。明るい話題の少ない日中関係ですが、将来に向けて建設的な提案を行なっていけたらと思ってます。末永くよろしくです。
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中国人の日本留学②ニセモノの作り方

今日二つ目のエントリー。暇と忙しいの落差が激しい最近の生活…。

恒例(?)の日本留学シリーズ第二弾は、ニセモノ書類の作り方講座です。日本人はもちろんの事、中国でもここまで裏側を知ってる人はそうはいないでしょう。えっへん。
そして、入管局の役人の皆様、この前は罵りまくって誠に申し訳ありませんでした。以下に重要な情報をご提供いたしますので、今後審査の際のご参考にしやがれなさってくださいませ。…って僕のブログなんか見てるわけないか。

1.日本語能力証明
日本留学には、150時間以上の日本語学習時間が求められます。そしてその証明のために、中国の日本語学校で在籍証明を書いてもらうのが一般的。そして、この証明がホンモノかどうか、ビザ発行の際に領事館で学生を抜き打ち試験することもある。これで証明がニセモノだと認められた場合、その学校はブラックリストに載ってしまい、面倒な事になる。
…が、これほどニセモノが作りやすい書類はない。電話番号を一つ申請して(114(=日本で言う104)にも電話番号を登録しておくのがコツ)、印鑑を作り、ペーパー学校を立ち上げるだけでよい。
僕が働いていた会社について言えば、本当に経営している学校以外に、3つのペーパー学校を持っていた。日本語がちょっとヤバい学生に証明を発行する場合、ペーパー校の学生という事にして発行する。こうしておけば、万一抜き打ち試験で引っかかっても、経営校本体は傷つけられずに済む。
これに比べて、日本でも受験成績を調べる事ができる「日本語能力試験」の合格証書を能力証明として提出した場合、日本語能力が原因でハネられる事はなくなる。でも、この試験、毎年のように希望者がたくさんで、申し込みに溢れる人が出ています。改善を切に希望してます。


2.経費支弁能力
奨学金受給生でない限り、留学に際して経費支弁能力があるかどうかが調べられます。具体的に「○万元以上の資産」という決まりはないのだが、僕の働いていた某省出身学生では、貯蓄25万元かつ年収7~8万元がボーダーラインになっているようでした。そしてこれを証明するために、両親の勤務先の収入証明や、預金通帳などを提出しなければならない。
…が、これが出せる学生は本当に少数。出せない理由は二つあります。
一つ目は単純にお金がないこと。某省は超弩級の金持ちも多いところですが、そんな家の跡取りは大抵日本留学なんか行きたがらん(泣)。というわけで、収入証明・預金通帳の両方を偽造する必要が出てきます。
二つ目は両親が公にできない収入でもうけている場合。学生に副県長(日本で言う副町長か)の息子とか、市の土地局長の娘とかいうのがいました。この場合、法律で定められている給料は月に数千元で、微々たるものです。ただ、公金を横領できたり賄賂で私腹を肥やしたりできるので、実際の年収は百万元は下らない。ただ、これの証明を書いたら明日の命がしれません(中国は公金横領罪でも死刑が出るので…)。ということで、収入証明を偽造する必要があります。この場合、預金通帳は使えます。

2-1.収入証明
では、作り方を説明します。親がそれなりに大きな会社で働いている場合、その会社の証明に手を加えるだけで出来上がりです。具体的には収入を水増ししてもらう事。
次に個人経営の商店や、上記の危ない仕事をやってらっしゃる方の場合、会社から偽造する必要があります。基本的には上記の日本語能力証明の作り方と一緒です。多様なお客様のニーズにお応えするために、わが社では20あまりのペーパー会社を準備しておりました。会社の印鑑、社長や出納長の印鑑、会社のロゴ入り特注便箋を準備し、証明作成の際には一社ごとに書類の形式や字体を変え、プリントアウトに使用するプリンターまで変える手の込みよう。仕事の緻密さに定評のある日本人も、これには脱帽でしょう。

入管もこのアホらしさに気付いたのか、2003年の後期からは「源泉徴収書」を要求するようになりました。つまり、どれだけ税を納めているかの書類を税務局から出してもらおうという試みです。が、これを考えた役人は、よっぽど中国情勢に暗かったんでしょう。中国では(少なくとも某省では)、馬鹿正直に社員の給料を申告して納税している会社なんかありません。当然税務局は国民の収入なんか把握していませんし、証明も出しようがありません。これには困りました。この当時中国北部の某仲介企業が、日本の日本語学校の校長先生に語ったという話がこの困惑をよく伝えています。
「校長先生、『源泉徴収書を出せ』とおっしゃるんですか?出します。可能です。でもそれがどれだけ大変な事かご存知ですか?私は税務局の役人を買収するために接待を繰り返さんといかんし、多額の賄賂も必要になるでしょう。やれとおっしゃるならやりますが、これで本当の金持ちを調べるのは無理ですよ。」
結局、日本語学校が入管に現実的な政策でないと訴えたのだろう。源泉徴収書は取り止めになり、各会社が発行する「納税証明書」でいいことになった。この後、上記の収入証明書と同じ方法で、納税証明書を添付して申請する事になった。無意味…。

2-2.預金通帳
さて、両親の収入が規定に満たない場合、預金通帳を偽造する必要があります。全部偽造はさすがにつらいので、日常使っている普通預金通帳をそのまま提出して、これとは別に定期預金・外貨預金・株などの資産を偽造するのが一般的です。
これの楽なところは、原本を提出しなくていいところ。コピーでいいのです。金持ちの学生の通帳を余分にコピーしておいて、その名義人の部分をカッターで切り取ります。そして、金のない学生の両親の名前をワープロで打ってきて、そこに貼り付けます。流石にちょっと貼り付けた痕跡が目立ちますが、「コピー→修正液で痕跡消し」を繰り返せば、顕微鏡で見ない限りわからなくなります。
日本は地方ごとの入管局がビザ発給の可否を判断しています。北から順に、札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡です。さすがに同じ入管に名義を変えた通帳を出すのはまずいので、僕の会社では入管を変えて出してました。例えば、ホンモノの学生が東京なら、名義を変えた学生は大阪に申請するといった具合に。
日本への申請は白黒コピーでもいいのでこれでOKですが、他の国への留学生は、カラーコピーが必要で、スキャナで預金通帳の画像を取り込み、微修正を繰り返すという面倒な事をやってました。どちらにしても、抜け道はあるようです。

さすがに全部それでは見破られる恐れが高いので、違うやり方のニセモノも準備します。作り方は以下の通り。まず、サラ金のようなところから、半年後に返す事にして20万元ほど借りてきます。そして、この金を銀行に定期預金する。この証明を提出するわけです。そして子供が無事に留学したら、この定期預金を解約し、サラ金に金を返せばOKです。突然多額の金が現れた理由としては「留学に備えて資産を売っぱらった」とか「友人とやっていた事業から手を引いた」とか、何とでも説明がつく。デメリットとしては、サラ金の利子は自己負担になることですが。

さて、ホンモノ・ニセモノに関わらず、収入関係が原因でハネられる学生が一番多いのですが、可哀想なのはホンモノなのに「疑義あり」とされてしまう学生。農村部では手書きの預金通帳がまだ存在して、そういうのは疑われる可能性が高いのですが、逆に言うとわれわれ仲介企業も、わざわざ疑われやすいニセモノを作ったりはしません。入管の人、ここ重要ですぜ。


3.学歴
卒業証書・成績証明書・卒業証明書などの提出が必要です。
留学したいという学生はほんとに玉石混合で、暴力沙汰で高校を退学になったとか、理由は分からんが長期学校に行ってなかったので卒業証書がないとか、いろんなのがいる。こういう場合は、偽造の必要が出てくる。
これについては、ホンモノが作れます。学校の校長先生と仲良くなって、ホンモノを作ってもらうだけでOKです。この他に、教育委員会の印とか押す欄もあるのですが、これもホンモノを押せばいいだけのこと。
あと農村部では、懐かしの飛び級制度がまだ生きています。また、人口の少ない村では小学校入学年齢が2年に1回とかになったりもします。日本語学校は入学条件に「12年の教育を受けている者」というのがあるので、「小学校入学時年齢証明」なるものを発行しなければならない学生が出てくる。飛び級をしちゃったために小中高合わせて10年しか在籍しなかったりした場合、「4歳で小学校に入学しました」とかいうありえない証明を書いて、一緒に提出する必要がある。入管もこの辺は分かってるのか、これが理由でハネられることはほとんどないですが。


4.公証書
上記の全ての書類に中国の役場の作る公証書というのが要るのだが、ここまで読んでくれた皆様なら、もう作り方は分かりますね?そうです。買収です。
僕の会社は折につけ公証所の役人を接待してました。そのおかげで、どんなに難しい公証内容でも、土日や深夜に頼んでも、2時間で書類を作ってくれます。「為人民服務(人民のために!)」の精神は立派です。


さて、次回はこんなの目じゃない、とっておきの裏技をご紹介します。乞うご期待。
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by t-kume | 2005-12-03 23:25 | 中国人の日本留学
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