筆者は北京で旅行を学ぶ大学院生。妻は中国人。明るい話題の少ない日中関係ですが、将来に向けて建設的な提案を行なっていけたらと思ってます。末永くよろしくです。
by t-kume
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靖国① 図式

靖国の影響は今のところない北京です。週末に大使館前あたりで何か起こるかもしれないけど、今回は4月ほどの事にならずにすみそう。図らずも(図ったのか?)中国では、17日に「神舟6号の帰還」と「巴金の死去」という二大事件が重なったおかげで、庶民に“ディープインパクト”を与えることなくすんだようです(ちなみに私、競馬ファンでもあります)。

靖国について考えるたび、いつも不思議に思うことがあります。日本で言われている「参拝は日本人として当然」「中韓の内政干渉」という図式は、それから中国で言われている「鬼参り」「軍国主義の復活」という図式は、いつからそういう事になったんでしょうか。
小泉首相が始めて靖国を参拝した2001年8月13日、僕は上海のF大学に短期留学中で、タクシー乗車中にラジオのニュースでこの事を知りました。その時僕は「日本人として当然の責務を果たした首相は立派だ」とも「A級戦犯を詣でるなんてトンデモナイ」とも思わなかった。また「中韓との関係」を心配することもなかった。周りの日本人・中国人学生と、この事を話題にした覚えもない。当時の僕の認識不足によるものかもしれないけど、ぶっちゃけ靖国に興味なんかなかった。遺族会とか一部の人々を除けば、みんなそうだったんじゃない?それが「参拝しない=中韓の圧力に屈した」とか「日本では悪人の魂も死んだら許される(ホントに一般人はみんなそう思ってるのか?)」とか、意味の分からない図式がいつの間にやらできてる。
中国にしても同じことで、今年の夏に北京に来た時、部屋を借りた不動産屋の若者に「靖国神社ってどんなところですか?」って聞かれた。ニュースでよく耳にするけど、どんなところかよく知らないとの事だった。また、『環球時報』『青年参考』っていう二つの新聞で「あなたの知らない靖国神社」っていう特集を組んでるのを見た(この新聞の名誉のために断っておくが、記事は淡々と歴史と事実を紹介するものでした)。これは多くの市民にとって靖国は「あなたの知らない…」レベルであることを意味してるんじゃないだろうか。みんな「日本の首相がケシカラン事をしているらしい」というイメージに振り回されて憤っているだけで、何がどのようにケシカランのか、よく分かってないんじゃないだろうか。
繰り返しになるけど、今の図式はいつできたんでしょう。一般人が見てる靖国神社は、“小泉劇場”“共産党劇場”に過ぎないんじゃないでしょうか。靖国が大問題になっている中、不謹慎かもしれませんが、素朴な疑問です。
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by t-kume | 2005-10-20 21:31 | 靖国問題
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